2019.09.03
学校長 佐久間勝彦
第66回全国高等学校珠算・電卓競技大会が仙台プラザホールで開催され、全国の127高校から493名の高校生が出場した。その大会で、商業科2年生の前川彩果さんが「読上暗算」「読上算」の2種目で優勝を飾った。2冠の達成は本校の生徒としてはもちろんのこと、千葉県の高校生としても初めてとなる快挙である。
前川さんは3歳のとき、母の勧めで珠算塾に通いはじめた。中学2年の珠算大会で優勝して自信をもった前川さんは、本校に入学して珠算部に入るとともに、珠算塾での練成に努めてきた。
本大会は昨年武道館で催されたが、準優勝に終わったことが悔しくて、この1年、ひたむきに練習を積み重ねた。仙台の会場も大きな広いホールであったので、下見した前日、読み上げられる声が聞き取りやすい席を探しておいた。
読上算も読上暗算も、最大で5桁から9桁の数字の交じった問題を聴き取って、足したり引いたりしていく。万単位の数字を足した後に、百台の数字を引くことが求められたりして計算の確かさが競われる。
8月22日、熊谷俊人千葉市長を表敬訪問した際、市長の求めで読上暗算が行われた。ス
マホで対戦した市長秘書は途中で指が動かなくなってギブアップしたが、前川さんはご明算(名算)であった。市長はもちろんのこと、その場にいた報道関係者は、「珠算甲子園日本一」の力量に脱帽した。
本校は86年前、「片手に論語 片手に算盤」を建学の精神に掲げて商業学校として創立された。この伝統のもとでの快挙をともに心から喜びたい。前川さんは来年、2連覇を目指して後輩たちと励み始めている。